2011年3月7日


  弁護士の小川です。

 新しく始まった弁護士によるコラムですが,私の番が回ってきました。
 他の先生からは,「犬のことを書くんでしょう?」と言われました。
いつかは愛犬のことを書きたいと思いますが,最初の原稿ですので,やはり仕事に関することを書こうと思います。

 私は,横浜弁護士会の子どもの権利委員会に所属しており,少年事件を担当する機会があります。
 少年事件とは,簡単に言えば,未成年者が犯罪を犯した事件です。

 では,少年事件で具体的に弁護士が何をしているかおわかりでしょうか?

 いろいろあるのですが,その中でも大きな役目の一つが,少年と何度も話をして,事件や被害者のことを振り返り,今後どうしたらやり直していくことができるかを一緒に考えていく,ということです。

 
なぜ家出をしてはいけないのか,なぜ学校に真面目に通わなければいけないのか,なぜ親の言うことを聞かなければいけないのか・・・。
 事件を起こす少年達は,家庭環境に恵まれない子も多いです。
少年だけが頑張ってもどうにもならない状況にいる子がほとんどです。

 そんな彼らに,どういう言葉をかけ,どういう道筋を示してあげればいいのか。

 少年鑑別所にいる少年と面会して話していると,時に,少年を納得させられる答えを持たない自分に気づきます。
 自分の人間としての限界を感じることもしばしばです。

 自分に少年の人生を変える力があるとは思いません。
 しかし,縁あって,その少年の人生の一端に触れることになるのです。

 少年には,少なくとも,頑張ってやり直してほしいと思う大人が1人はいるということを知ってほしいなあと思って,鑑別所に足を運んでいます。




2011年2月27日


 
 皆さんは,裁判の傍聴をしたことがありますか?

 平成21年から裁判員制度が始まり,最近,裁判の傍聴に来られる方が増えたという声を聞きます。それだけ,裁判というものに対する一般の方の関心が高まったということでしょうか。

 傍聴に行かれた方はわかると思いますが,裁判所では毎日たくさんの裁判が行われています。普段、皆さんは,テレビや新聞の報道を通じて事件を知ると思いますが,裁判所へ行くと報道されない事件もたくさんあるということが実感できると思います。そして,報道されないような,よく聞くような事件であっても,それぞれの事件には個性があり,事件に至るまでには様々な経緯があります。

 法廷に現れる事実が全て真実とは限りませんが,傍聴に行くと,こういった事件の個性を知ることができると思います。

 人が人を裁くということについて考えさせられる機会になろうかと思いますので,まだ傍聴に行ったことのない方は是非一度傍聴に行ってみてはいかがでしょうか。

 …ここまでは,刑事裁判を前提にさせていただきました。

 ところで,民事の法廷でどのようなことが行われているのかはご存知ですか?

 民事事件では,通常期日までに当事者間と裁判所との間で主張したいことを記載した書面のやりとりをしており,法廷では,「書面の通り陳述します。」などと言うだけで,書面の内容を読み上げたりはしません。判決に至っては,当事者が出頭しなくても言渡しができるため,通常、原告と被告の席が空席のまま,一人判決を読み上げる裁判官の姿を見ることになります。
 また,非公開の「弁論準備」や「和解」という手続きでの話し合いがされることもあるため,法廷傍聴だけでは訴訟の内容が判らず消化不良を起こすかも知れません。


2011年2月20日


この度,事務所の弁護士が順番にコラムを書いていくことになりましたが,言い出しっぺということで,私がトップバッターとして執筆することになりました。よろしくお願いします。

さて,執筆することに決まったのはいいのですが,問題は執筆する内容です。具体的な事件のエピソードなんかは守秘義務の問題もありますし,かといっていきなり個人的な趣味の話をしても「ヒマなのか」と思われそうでよろしくない。あまり堅い内容だと読んでもらえないし,かといってあまりゆるい内容だとお客さんに信用してもらえない。とまあ2分くらい悩んだうえで,時々依頼者や相談者の方との雑談の中で聞かれる,弁護士についての「素朴な質問」について書いてみることに決めました。

 

「六法全書って全部覚えているんですか?」

よく聞かれますね。ハイ,もちろん,覚えていません。当たり前です。覚えきれません。覚えられたら楽なんでしょうけど。でも,ちょっと感覚的なものになってしまいますが,「この法律はざっくり言えばこういう法律だな」とか「こういう場面については法律の規定がありそうだな」くらいはわかります。たぶん。

 

「やっぱりお忙しいんでしょう?」

これもよく聞かれます。聞かれますが,答えは難しいですね。忙しくないわけではないけど,かといって,殺人的な忙しさかといわれればそうでもないです。ちゃんと日付が代わる前には自宅に帰れていますし。弁護士の友人の中には,日常的に9時5時で働いている人もいますので,それよりはマシですかね。え?9時5時のほうがいいじゃないかって?いえいえ,もちろん朝の9時から朝の5時,という意味ですよ。20時間勤務です。元気ですね。

 

「守秘義務ってホントに守ってるの?」

守ってます(キッパリ)。具体的な事件の関係者の名前なんかは,親兄弟はおろか,弁護士仲間にも言いません。これはみんな守っているのではないでしょうか。守らないと怒られるどころか犯罪ですから。ときどき相談者の方から,「ここで話した内容って漏れたりしないですか・・・?」と聞かれますけど,そういうわけですので,これから相談に来ようと思っている方も,今まで私が相談を担当した皆様もご安心ください。

 

「弁護士さんってマジメな人が多いんですか?」

仕事はマジメにやりますが,それ以外だとどうなんでしょうね。プライベートだと結構おもしろい人が多いですよ。おもしろいというかヤンチャというかハメを外すというか・・・。私も例に漏れず,フットサルチームのメンバーからは「お前,本当に弁護士なのか???」って言われることが多々あります。

 

「ぶっちゃけ稼いでいるんでしょ?」

定番の質問ですね。人それぞれだと思いますよ。ただ,実際問題として大金持ちの弁護士なんてほとんどいないと思います。夢を壊すようで申し訳ないですが,ぶっちゃけお金持ちになりたい人は起業したほうがはるかに可能性高いです。

 

「さっきからなんで『、』じゃなくて『,』なの?」

あ,気づきましたか。「ソフトでそういう設定にしているからです」じゃ答えになってませんね。由来は知りませんが,裁判所の文書が「、」ではなく「,」を使っているんですよ。不思議ですね。裁判所の文書が縦書きだった頃(10年以上前)は「、」を使っていたようで,ベテランの先生の中には「、」にこだわる人もいらっしゃるようですが,私はこだわりがないので「,」にしてます。

 

さて,本当はまだまだいろんな「素朴な質問」があったのですが,当初の予定である400字を大幅にオーバーしてしまったのでそろそろ終わりにします。それではまた。